保険会社コラム3:RL360°

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RL360°とは?

RL360°(以下「RL360」と表記)とは、「アールエル・スリーシックスティー」と読み、「RL360 Insurance Company Limited」の商号です。RL360は約230億ドルの運用資産を持つInternational Financial Group Limited (IFGL)の傘下のグローバル規模の生命保険および投資会社で、オフショア金融の拠点であるマン島を拠点に、アジア、アフリカ、中東、中南米、英国でビジネスを展開しています。RL360は、世界中の人々にオフショアの貯蓄、保護、投資商品を提供しています。

金融サービス業界の格付けに特化した保険数理コンサルタント会社AKGからB+の評価を得ており、オフショア生命保険会社では一番良い評価と言われています。格付け会社につてはこちらのコラムをご参照ください。

RL360は、もともとRoyal London 360という商号でロイヤルロンドングループ傘下にありましたが、2013年にVitruvian Partnersという欧州のプライベート・エクイティ・ファームに売却されRL360という社名になりました。

同じIFGL傘下に類似名の「RL360° Services」と呼ばれる会社がありますが、現在こちらはRL360 Life Insurance Company Limitedという会社で、RL360とRL360 Servicesは別々の会社です。

RL360の拠点マン島とは?

RL360はマン島(The Isle of Man)で法人登記されています。イギリス諸島の一部であるマン島は、英国王室の保護領として、英国から独立した独自の法律や税制を制定し、高度な立法・政治的自治権を持つ自治体で、英国の一部でもなく、欧州連合(EU)の加盟国でもなく、英国法に則った独立した法体系を持っています。マン島は、著名な格付け会社のムーディーズから2020年10月にAa3(安定的)と格付されているほど財政的に安定しています。

主な産業は、農業と観光ですが、「タックス・ヘイヴン(租税回避地)」としても有名で、多くの保険会社がマン島を拠点としています。

マン島を拠点とするメリット

マン島を拠点することは税務面以外でもメリットがあります。

それは、保険契約者(投資家)の保護が万全なことです。保険会社が、万が一その責任を果たせなくなった場合でも投資を保護できるよう、さまざまな法定措置が設けられています。

例えば、保険契約者保護制度として、保険契約者補償基金が設定されており、生命保険会社が債務を履行できない場合、保険契約者に対して保険契約に関する保険会社の責任の90%を上限として補償されます。この制度は保険契約者がどこに住んでいても適用されます。

そのほかにも、マン島を拠点とする生命保険会社は、将来の保険契約者への支払いが契約通りに履行されるよう十分な資本を保有することが求められています。マン島のソルベンシー資本要件Solvency Capital Requirement (SCR)は、保険会社が直面する200年に1度のリスク事象が発生しても会社が支払能力を維持できるように計算されています。

さらに、保険契約者の資産を分別管理し、保険契約者からの保険金請求や解約返戻金の支払い以外の引き出しができないようにするよう規制されています。